セルフアートメイクが注目される理由と気をつけたいポイント

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本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。

SNSや通販で「自宅でできるアートメイクキット」を見かけるようになり、セルフアートメイクに関心を持つ人が増えています。
手軽さやコスト面で魅力的に映りますが、その裏にある見落とされがちなリスクもあります。
ここでは、セルフを考える前に知っておきたい注意点や代わりの選択肢をご紹介します。

目次

セルフアートメイクとは

セルフアートメイクとは、医療機関を利用せずに、自分自身でアートメイクを行う方法を指します。

一般的なメイクのように汗や水で崩れたり、よれたりする心配がないため、メイクやお直しの手間を減らしたい方にとってメリットを感じやすいでしょう。

ただし、メイクの延長線と考えてしまうと、思わぬトラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。

個人でもアートメイクキットは購入できる

アートメイクに必要な針・マシン・色素を含んだキットは、楽天やAmazonといった大手通販サイトや、タトゥー関連の専門ショップでも買えてしまいます。個人使用が想定されていないリドカインやベンゾカインといった麻酔クリームでさえ、海外通販(個人輸入)を通じて入手可能です。

このように、一般の方でも必要な道具を容易に手に入れられる環境が整っているため、「自分でもできるのでは」と考える方が増えているのが現状です。

他人に施すと違法

自分自身に行うセルフアートメイクについては自己責任とされていますが、他人に行ってしまうと違法です。

家族や友人に対しても例外ではなく、医師または医師の指示を受けた看護師以外が行えば医師法違反となります。

アートメイクは「皮膚に針で色素を入れる医療行為」と位置づけられており、無資格での施術は罰則の対象になります。

実際にサロンやエステでの無資格での施術で摘発された事例もあるため、安易に他人に行うことは避けなければなりません。

アートメイクの針について

セルフアートメイクが注目される理由

アートメイクを個人でもできる身近な環境があることから、セルフアートメイクに関心を持つ方が増えています。

特に、費用を抑えられることや自由度の高さが注目される理由となっています。

コスパ

セルフアートメイクは、クリニックに比べて費用を大幅に抑えられる点が魅力です。

必要な道具の費用
機材(マシン)約20,000円~30,000円/台
色素4,000円~5,000円前後/個
麻酔クリーム4,000円~5,000円前後/個

クリニックで施術を受ける場合、部位によって差はありますが10万円前後(2回)が相場です。

一方でセルフアートメイクなら、初期費用は高く見積もっても4万円程度に収まり、道具をそろえれば繰り返し使用できます。

複数部位の施術や定期的なメンテナンスを考えている方にとって、コスト面でのメリットは大きいといえるでしょう。

好きなタイミング・場所で施術できる

セルフアートメイクは、クリニックのように予約や通院の必要がなく、自宅など好きな場所で自分の都合に合わせて行えます。

忙しくて時間がとれない方や、近くに専門クリニックがない方にとってもはじめやすい点が注目されています。

仕事や家事の合間に少しずつ進めたり、人目を気にせずリラックスした環境で行えたりするのもセルフならではのメリットです。

セルフアートメイクはおすすめできない

セルフアートメイクは、一見すると手軽で魅力的に思えるかもしれません。

しかし実際には専門的な技術や知識が求められ、安全性や仕上がりを考えるとセルフでの施術は推奨できません。

技術的な難易度が高い

メイクの延長のように思われがちなセルフアートメイクですが、実際は高度な技術が必要です。

必要なスキルの一例
  • 針を入れる深さや角度のコントロール
  • 顔の骨格・筋肉・左右差など解剖学的な理解
  • 色素の特性と肌への定着・発色に関する知識
  • 自然に見えるデザイン力(形・色の選定等)
  • 衛生管理・感染症対策(消毒・使い捨て・清潔操作)
  • 適切な施術手順・道具選び
  • アレルギーや副反応などリスク管理の知識

こうしたスキルだけでなく、鏡を見ながら自分の顔に施術するのは想像以上に難しく、利き手と反対側ではさらにコントロールが難しくなります。

医療従事者でさえ専門の研修を経て身につけるため、独学で安全かつきれいに仕上げるのは現実的ではありません。

失敗は一生の後悔につながることも

セルフアートメイクは、一般的なメイクのように失敗したからといってすぐに消せるものではありません。

誤って皮膚の深い層に色素を入れてしまうと自然に消えることはなく、タトゥー・刺青のように残ってしまいます。

もしメイクでカバーできない形や色の失敗、左右差やムラが顔に残ってしまうと、日常生活のストレスやコンプレックスにつながるためセルフアートメイクは控えるべきです。

アートメイクとタトゥー・刺青(入れ墨)の違いについて

セルフアートメイクのリスクについて

セルフアートメイクは、一度のミスがそのまま長期的な結果として残ります。

やり直しが効かないため、健康面や見た目に不具合が生じた場合に自分では対処できないのが大きなリスクです。

健康被害

セルフアートメイクでもっとも深刻なのは、健康への影響です。

感染症のリスク

針の取り扱いや消毒が不十分だと、化膿や細菌感染のほか、B型・C型肝炎、HIV、ヘルペスなどを引き起こす可能性があります。

アレルギーや副作用

使用する色素の成分によってアレルギー反応が出ることがあり、腫れ・内出血・ケロイドなどの症状につながる場合があります。

その他のトラブル

金属アレルギーの発症、皮膚障害、炎症の長期化なども報告されています。

また目の周辺は、角膜損傷や失明といった取り返しのつかないリスクがあるため軽視できません。

アートメイクと金属アレルギーについて

見た目上の失敗

顔の印象は、わずかな違いでも大きく変わります。

セルフアートメイクでもそのわずかな誤差が、不自然さや違和感となって残ってしまうことがあります。

よくある失敗例
  • 不自然な色味
  • 骨格や筋肉の動きに合っていないバランス
  • 左右差や色ムラ
  • 傷跡や凹凸
  • 修正が難しいデザイン

他にも時間の経過とともに色素が変色し、はじめに想定とは異なる色味に変わってしまうこともあります。

アートメイクの色について

除去の難しさ

一度皮膚に色が入ると、セルフで簡単に消すことはできません。

除去にはクリニックでのレーザー治療などが必要となり、費用は高額で複数回の施術が必要なうえに皮膚への負担も大きいです。

使った色によってはレーザー照射で黒変してしまうことがあり、かえって見た目が悪化するケースもあります。

治療の過程で瘢痕が残るリスクもあるため、「失敗しても後で消せばいい」という考えは非常に危険です。

アートメイクの除去について

セルフアートメイク以外の選択肢

セルフアートメイクには多くのリスクがあるため、安全性や仕上がりを考えると他の方法を検討してみましょう。

医療機関での施術からメイク感覚で楽しめる一時的なアイテムまで、目的やライフスタイルに合わせた選択肢があります。

医療アートメイク

アートメイクは本来、医師や看護師など有資格者がクリニックで行う医療行為です。

専門的な技術と衛生管理が徹底されており、感染症予防やトラブル対応の面でセルフとは大きな差があります。

医療グレードの色素や機材を使用するため品質も安定しており、骨格や希望に合わせたデザインが可能です。

費用はセルフより高額ですが、安全性と仕上がりを重視する方にとって最も確実な選択肢といえるでしょう。

アートメイクアーティスト(施術者)について

ティントやシール

ティント(染色リキッド)や眉・アイラインシールは、メイク感覚で使える一時的なアイテムです。

肌表面を染めたり貼ったりするだけなので、失敗してもすぐ修正できることから個人でも扱いやすいのが最大のメリットです。

持続時間は1日限りのものから1週間ほど持続するタイプまであり、皮膚への負担や健康被害のリスクが低いのも特徴です。

アートメイクに不安がある方や、手軽にイメージチェンジをしたい方におすすめです。

セルフアートメイクのまとめ

セルフアートメイクには多くのリスクがあり、仕上がりや健康面で不安が伴います。

一方で医療機関での施術や一時的な代替アイテムなど、安全に取り入れられる方法も存在します。

大切なのは、長く残る施術だからこそ、どの方法を選ぶかを慎重に考えることです。

自分の希望やライフスタイルに合った手段を選べば、無理にセルフに挑戦しなくても理想の見た目を目指すことはできます。

安心して続けられる方法を選ぶことが賢い選択といえるでしょう。

よくある質問

セルフアートメイクは一度入れたらどれくらい持続しますか?

使用する色や部位、肌質、色素を入れた深さによって差がありますが、一般的には1〜3年程度で薄くなっていきます。

ただしセルフの場合は技術不足から色素の入り方が不均一になり、部分的に早く消える・色ムラが残るといった不安定さが出やすいのが特徴です。

セルフアートメイクの道具は使い捨てが必要ですか?

針(マシンの場合はカートリッジ)は使い捨てが基本で、再利用すると感染症のリスクが高まります。

消毒も医療レベルの徹底が求められますが、自宅で完全に行うのは難しいです。

セルフアートメイクは法律的にグレーゾーンですか?

自分自身に行う場合は「自己責任」とされていますが、他人に施術するのは医師法違反となるため違法です。

セルフだからといって合法というわけではなく、あらかじめリスクを理解しておかなければなりません。

石橋 夏希
医療アートメイクアーティスト / 看護師
Besecure専属の監修者です。

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