アートメイクは一生消えない?残る理由・経過パターン・対処法を解説

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクは時間とともに薄くなっていきますが、完全には消えないケースもあります。
色素が残る理由や代表的な残り方のパターン、気になるデザインへの対処法までを解説します。
アートメイクが一生消えないと言われる理由
アートメイクは「一生消えない」と言われることがあります。
実際には時間とともに薄くなっていきますが、完全には消えない理由がいくつかあります。
インクを入れる深さ
アートメイクが一生消えないと言われる理由の1つに、インク(色素)を入れる深さが関係しています。
タトゥーや刺青ほど深くはありませんが、アートメイクは肌のターンオーバーの影響を受けにくい基底層という部分まで色素が入ります。
そのため時間とともに徐々に薄くなっていきますが、基底層に入った色素は完全には消えず、部分的に残ってしまうことがあります。
年齢と体質
アートメイクが消えにくいかどうかは、年齢や体質によって変わります。
個人差があるものの、代謝が遅く、極度のドラインスキン(乾燥肌)の方はインクが皮膚内にとどまりやすいです。
一般的に若い世代よりも中高年世代の方が代謝や皮脂分泌が低下するため、アートメイクが残りやすい傾向にあります。
色素の種類
アートメイクの色が消えにくいかどうかは、使用する色素の種類にも左右されます。
黒インクはほとんどの色調に混ぜて使われますが、かつて主流だったカーボンブラックは粒子が非常に細かく、体内で分解・排出されにくいです。
現在は酸化鉄などが主流ですが、2010年代前半までにアートメイクを入れた方は、当時のインクの影響で現在でも色が残っていることがあります。
アートメイクの残り方
アートメイクが薄くなる過程はさまざまで、色の抜け方やデザイン崩れといった残り方にもいくつかパターンがあります。
部分的に残るケース
アートメイクは、均一に薄くなることはありません。
肌の状態や日常の動きによって色の抜け方に差が出るため、少しずつデザイン崩れが目立つようになってきます。
その結果、まだらに見えたり、輪郭の境界線がぼやけて一部だけが浮き上がるように残ることがあります。
ラインがにじむケース
アートメイクで細い線を描いた場合、時間の経過とともににじんで、線が太く見えたり、全体がほやけた印象になることがあります。
とくに眉やヘアラインの毛並み表現、アイラインのような細いデザインは影響を受けやすいです。
インクが皮膚内で少しずつ広がっていき、当初のシャープさや自然なラインは失われていきます。
色味の変化
アートメイクの色素は時間の経過とともに酸化していき、当初の色味から変化することがあります。
| 色味の変化一例 | |
|---|---|
| 黒 | グレーや青みを帯びる |
| 茶色 | 赤みやオレンジ系 |
| 明るいブラウン | 黄色やオレンジ |
色の変化は色調によって若干異なり、人によって見え方もさまざまです。
最近ではインクも改良されて変色リスクは抑えられつつありますが、こうした変化を完全に防げるわけではありません。
残りにくい部位
アートメイクの消えやすさは、施術する部位によって異なります。
部位ごとに代謝や皮膚の特徴が異なるため、色素の定着や残り方にも差が出てきます。
リップ
リップ(唇)アートメイクは、他の部位に比べて色が抜けやすい特徴があります。
赤やピンク系のインクは色抜けが早く、さらに唇はターンオーバーが4〜10日と極端に短いことから色素がとどまりにくいためです。
食事や会話など日常的に摩擦の影響も受けやすいことから、他部位に比べて不自然な色残りが起こることがほとんどありません。
ただし、本来の輪郭を超えたオーバーリップで施術した場合、周囲の皮膚に色素が残り、境界が不自然に見えることがあります。
残ったデザインが気になる場合
アートメイクが部分的に残ってしまったり、色味が変化してしまった場合でも、対処方法はあります。
デザインを整えたいのか、完全に消したいのかによって、適した方法を選ぶことができます。
リタッチ
アートメイクの残ったデザインが気になる場合でも、リタッチによって形や色味を整えることができます。
色を足したりデザインを補正することでバランスをとり、自然な仕上がりに近づけることが可能です。
完全に消したいわけではなく、むしろ整えて活かしたいというケースに適しています。
除去
どうしてもデザインを消したい場合には、レーザーや薬剤による除去が可能です。
肌質や施術内容によって効果に差があるため、残り方によって治療方法が選ばれます。
色を完全に消したい、あるいは新しいデザインを入れる前にリセットしたいときにおすすめです。
まとめ
アートメイクは時間の経過とともに薄くなるものの、完全には消えずに部分的に残ったり色味が変化することがあります。
残り方や部位によって見え方は異なりますが、気になる場合にはリタッチや除去といった方法で対応することも可能です。
特徴を理解したうえで施術を受ければ、将来的な変化にも安心して向き合うことができます。
