アイラインアートメイクについて

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アイラインアートメイクは目元の輪郭を際立たせ、目力をアップさせる美容医療です。
ラインを引くのが苦手・ストレスといったメイク負担を軽減するだけでなく、エイジングによる目元の印象のぼやけを自然に補正します。
アイラインアートメイクとは
まぶたに沿って、まつ毛の生え際を埋めるように色素を入れることで、アイラインを引いたような目元をキープできるアートメイク技術です。
デリケートな目元へのアートメイクはリスクを伴うため、必ず医師のいる医療機関でのみ施術が認められています。
こんな目元の悩みにおすすめ
- 目元の印象がはっきりしない
- まぶたが重く見えやすい
- まつ毛にボリュームがない
- アイラインをうまく引けない
- パンダ目になりやすい
- 花粉症などでアイメイクが崩れやすい
- 老眼や手の震えで細かいラインを引くのが難しい
一重・奥二重の方でも、目を開けた時にチラッと見えるデザインが可能です。
また、まつ毛の隙間を埋めるだけのナチュラルなデザインであれば、化粧感を出さずに目力を強めたい男性にも選ばれています。
基本デザイン
アイラインアートメイクは基本となる上まぶたへの施術に加え、下まぶたや目頭・目尻の延長など、デザインバリエーションが豊富です。
- シンプルライン
- アウトライン
- インライン
- アンダーライン
- テールライン
- 目頭切開ライン
まぶたの形や入れる位置、ラインの太さによって目元の印象が変わり、一人ひとりの希望に合わせて細かく調整することができます。
ただし経年変化による影響や、粘膜(マイボーム腺)・眼球を傷つけるリスクから、デザインによっては提供していないクリニックもあります。
シンプルライン
上まぶたのまつ毛の隙間に色素を入れる、アイラインアートメイクの基本デザインです。
線を引くというよりも、まつ毛の密度を高める仕上がりになるため、すっぴんでも目元だけ浮くことがありません。
周囲にバレずに目元の印象を強められるため、男性にも抵抗なく選ばれています。
アウトライン
まつ毛の生え際の上に色素を入れる、メイク感を重視したデザインです。
すっぴんで浮かないよう普段のメイクより細めに入れるのが基本ですが、ベースがあることでアイラインが引きやすくなります。
インライン
まつ毛の生え際の内側(粘膜部分)に色素を入れるデザインです。
黒目が強調され、目をパッチリと大きく見せる効果があるものの、マイボーム腺を傷つけるリスクがあります。
ドライアイを避けるため、施術そのものを行っていないクリニックも少なくありません。
アンダーライン
下まぶたのまつ毛の隙間に色素を入れ、目の縦幅を強調したり、まつ毛が濃く増えたように見せるデザインです。
全体に入れると目が小さく見えたり、ひと昔前の印象になりがちなため、目尻側3分の1程度に入れるのが主流です。
テールライン
目尻のラインを延長して目の横幅を広げたり、ぼかしを加えてアイシャドウのように見せるデザインです。
跳ね上げやタレ目など、角度によってクールからキュートまで顔の印象をコントロールできます。
目尻は加齢による影響を受けやすいため、テールは短め(または入れない)にとどめておき、長さや角度はその日のメイクで書き足すのが無難です。
目頭切開ライン
目頭の蒙古ひだに切り込みを入れるようにラインを引き、視覚的に離れ目を解消するデザインです。
にじみやドライアイなどのリスクがあるため、非推奨または慎重な検討を促すクリニックも少なくありません。
メリット・デメリット
一度まぶたに定着した色素は涙や皮脂で流れることがなく、パンダ目や夕方のヨレといったメイク悩みから解放されます。
一方で眼球に近い位置での施術となるため、独特の恐怖心(先端恐怖症など)や痛みへの不安など、心理的なハードルが高くなりがちな部位でもあります。
施術から完成までの流れ
初回の施術は色が抜けやすく、無理に一度で完成させようとするとにじみの原因になります。
そのため1回目はベース作りにとどめ、2回目で太さや濃さを微調整して仕上げるのが一般的です。
定着期間には個人差がありますが、アイラインアートメイクが完成するまでは最低でも2ヶ月を目安に考えておきましょう。
見た目の経過
施術直後は、仕上がりイメージよりもラインが一時的に濃く・太く見えるのが一般的です。
翌朝は泣いた後のような腫れやむくみが出ることがありますが、通常は2〜3日で落ち着き、かさぶたが剥がれて1週間ほどかけて自然な色みに馴染んでいきます。
ダウンタイム
施術後は1週間ほどのダウンタイムがあり、2〜3日はコンタクトレンズの使用ができません。
アイメイクも1週間は制限されるため、この期間はメガネまたは裸眼で過ごせるようにスケジュールの調整が必要です。
もし激しい痛みや異物感が続く場合は、角膜を傷つけているなどのトラブルの可能性があるため、速やかにクリニックへ相談するようにしましょう。
持続期間
個人差はありますが、アイラインアートメイクは2回の施術で1〜3年ほど持続します。
年数をかけて徐々に色が抜けていき、最終的に目立たなくなるまで薄くなります。
まぶたは目の潤いを保つために1日平均約2万回ものまばたきを行うことから、摩擦などの影響で他の部位に比べると持続期間が短くなる傾向にあります。
リタッチ(修正)
メンテナンスの一環として1〜2年に1回程度を目安にリタッチを行うと、よりデザインを長持ちさせられます。
最初に入れたアイラインを細く・短くすることはできませんが、色ムラや薄くなった箇所などを上書きして微調整することが可能です。
料金相場
アイラインアートメイクで選ばれやすい「上まぶたのみ」の料金は、6万円〜10万円(2回1セット)が相場の目安です。
施術代に加えて指名料やデザインによって料金が変動するほか、診察料や麻酔代など別途オプション費用がかかるクリニックもあります。
また1回ごとの都度払いや上下セットなどのメニューを用意している場合もあるので、仕上がりの希望に応じて検討しましょう。
アイラインアートメイクの注意点
アイラインアートメイクは医療行為である以上、アイメイクの延長として受けることはできません。
健康状態によっては施術を受けられない場合があるほか、将来的なリスクについても事前に確認しておく必要があります。
施術を受けられない人
- 妊娠中または妊娠の可能性
- 授乳中(断乳または不可)
- ケロイド体質
- 重度の金属アレルギー
- 麻酔アレルギー
- 緑内障
- 白内障
- 重度のドライアイ
- 目元に感染症や炎症がある(ものもらい、結膜炎など)
- まぶたの血管が見えるほど皮膚が薄い・赤い
- 重度の皮膚疾患(アトピー、乾癬、湿疹など)
- 皮膚がん・悪性腫瘍(疑い含む)
- まつ毛の生え際に盛り上がったホクロ・イボ・血管腫(直上不可)
- 感染症(HIV、B型・C型肝炎、梅毒など)
- 重度の心臓病
- ペースメーカーや埋め込み型医療機器を使用している
- 血液疾患(血友病、血小板減少紫斑病など)
- 重度の糖尿病(コントロール不良・合併症あり)
- 重度の高血圧
- 腎臓病・透析中
- 自己免疫疾患(膠原病・リウマチ・SLEなど)
- 抗がん剤治療中、免疫抑制状態
- 抗凝固剤・抗血小板薬
- ステロイド剤(長期服用中)
- アルコール・薬物中毒
- 精神疾患
- てんかん発作の既往(主治医の許可)
- 未成年(親権者の同意がない場合)
施術の刺激によって病状が悪化したり、視覚機能に障害を残すリスクがあります。
また治療の副作用や目元の状態によっては、色素がにじんで失敗するおそれもあるため、医師の判断で施術不可となるのが一般的です。
この他に治療中の病気や服用中の薬があれば、自己判断せずに医師に申し出るようにしましょう。
アイラインアートメイク前に避けるべき治療・ケア
- 目元の美容整形(二重、眼瞼下垂など)
- 眼科手術(レーシック、ICLなど)
- イソトレチノイン(治療後から起算)
- まつ毛育毛剤(ルミガンなど)
- レチノール・ビタミンA製剤(化粧品含む)
- まつ毛パーマ
- 過度な日焼け
- まつ毛エクステ(オフしておく)
目元のコンディションは仕上がりに影響するため、調整が不十分な場合は当日の施術が見送りになることがあります。
クリニックによって目安の期間が異なることがあるので、予約の際の指示に従ってスケジュール調整を行うようにしましょう。
合併症(副作用)
稀ではあるものの、施術後に合併症を引き起こすことがあります。
- アレルギー反応
- 感染(化膿、ものもらい)
- 角膜の傷(痛み、異物感など)
- ドライアイ
- ケロイド(肥厚性瘢痕)
- 肉芽腫(しこり)
特に粘膜部分(インライン)への施術は、目の油分を分泌するマイボーム腺を傷つけるリスクが高まります。
この組織が破壊されると涙が蒸発しやすくなり、ドライアイを引き起こすことや悪化する可能性もあるため注意が必要です。
MRI検査への影響
基本的には受けることができますが、インクに含まれる微量の金属成分の影響で画像が乱れ、正確な診断ができなくなる可能性があります。
また上下のラインが繋がったデザイン(囲み目)は、検査中に目を開けているとリング状になって熱を持ちやすくなるため、必ず目を閉じて受ける必要があります。
トラブルを防ぐためにも、MRI検査を受ける際は事前に医療機関への申告が必要です。
医療機関外で施術を受けるリスク
サロンや美容室など、医療機関ではない環境でのアイラインアートメイクによる健康被害が報告されています。
- 角膜に傷がついた
- 1週間以上かさぶたがきれいにならない
- 左右でアイラインの濃さが違う
- まぶたの縁から外れて色素が入った
医師の診察がないうえ、麻酔も使えないことから、痛みの影響でまぶたが動いた拍子にトラブルに発展する可能性も高まります。
万が一のトラブルにもすぐに対応できないため、医療機関以外で施術を受けることは避けなければなりません。
[参考:独立行政法人国民生活センター|アートメイクの危害]
(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000223vo-att/2r9852000002242i.pdf)
アイラインアートメイクの除去について
デザインの劣化や年齢による目元の変化によってラインが不自然に見えたり、位置がズレてしまった場合には除去治療が可能です。
一般的に医療用レーザー(ピコレーザーなど)を使用しますが、色素の入っている深さや色によっては薄っすらと色みが残ります。
完全にリセットはできないものの、気にならないレベルまで目立たなくさせることができます。
おすすめのクリニック・施術者の選び方
施術による健康被害や仕上がりの失敗を避けるためには、ポイントを押さえたクリニック・施術者選びが欠かせません。
- 医療機関(クリニック・病院)
- 医療資格を持っている(看護師または医師免許)
- アイラインアートメイクを得意としている
- 症例写真が豊富
アイラインはまぶたに1本の線を描くシンプルな施術だからこそ、ごまかしがきかず、技術差がはっきりと出ます。
眉やリップが得意だからといってアイラインも上手いとは限らないため、経験豊富な施術者のカウンセリングをいくつか受けて比較検討しましょう。
アイラインアートメイクについてのまとめ
アイラインアートメイクはメイクの代用ではなく、すっぴんの底上げを目的とする施術です。
特に目元は年齢による変化も出やすいため、普段のメイクよりも少し物足りない程度にとどめた方が将来的な変化にも対応しやすくなります。
今のトレンドだけを基準にするのではなく、数年先も見据えたシンプルなデザイン選びが大切です。
