頭皮(生え際/ヘアライン)アートメイクについて

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本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクは地肌の透け感を抑えたり、生え際の後退やガタつきを補正する美容医療です。
毛量を自然にカバーすることによる若見え効果に加え、額の広さや形が整うことで視覚的な小顔効果も期待できます。

目次

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクについて

専用の針で頭皮表面に色素を入れ、毛穴や毛流れを描くことで髪が生えているように見せるアートメイク技術のひとつです。

医師のいる医療機関でのみ施術が受けられ、薄毛治療を専門とする一部のクリニックでも提供されています。

こんな髪の悩みにおすすめ

  • おでこが広く、顔が大きく見える
  • M字やヘアラインを整えたい
  • 頭頂部や分け目の地肌の透け感が気になる
  • 全体的なボリューム不足
  • 円形脱毛症や手術痕・傷跡を隠したい
  • 薄毛治療薬の副作用や治療効果を実感できなかった

実際に髪を増やす効果はないものの、気になる部分を色素でカモフラージュするため、薬の効果や自毛の量に左右されずに見た目の印象をカバーできます。

技法によるデザインの違い

頭皮アートメイクには、3つの技法があります。

  • ヘアライン(毛並み)
  • SMP(ドット)
  • ハイブリッド(毛並み+ドット)

施術部位や毛量、長さに応じて使い分けるほか、より自然な立体感を出すために組み合わせることもあります。

ヘアライン(毛並み)

髪の流れや太さに合わせて毛並みを描き足し、自毛と自然に馴染ませる方法です。

一定の毛量と長さがある場合に適しており、ガタつきのある生え際を整えたり、後退したM字部分のカバーに用いられます。

SMP(ドット)

細かなドットを無数に描き込んで毛根のような影を再現し、地肌の白さを打ち消すことで密度感を出す方法です。 

頭頂部や分け目の透け感のカバーだけでなく、円形脱毛症や傷跡といったピンポイントな悩みにも対応できます。

ハイブリッド(毛並み+ドット)

ドットで作った影の上に、さらに線を重ねて毛流れを表現する技法です。

影があることで線だけが浮いて見える描いた感が抑えられ、立体的で自然な仕上がりになります。 

産毛はあるもののヘアラインだけでは密度が足りない部分や、生え際をより自然にカバーしたい場合に適しています。

メリット・デメリット

生え際を整えることで顔の余白が減り、小顔効果やおでこに自然な丸みが生まれ、横から見た時のフェイスラインや毛流れもきれいに見えます。

一方で描いたデザインは皮膚に固定されるため、実際の髪のようなボリューム感はありません。

髪をかき上げた際や風が吹いた時に動きが出ないため、ヘアスタイルによっては違和感が出てしまうことがあります。

アートメイクのメリットとデメリットについて

施術から完成までの流れ

STEP
問診・デザイン相談
STEP
1回目施術
STEP
定着期間(約1ヶ月〜)
STEP
2回目以降の施術
STEP
定着期間を経て完成

頭皮や生え際は皮脂が多く、ターンオーバーも活発なため、一度に色素を入れすぎるとにじむリスクが高い部位です。

ベタ塗り感を避けるためにも、1回目で定着具合を確認し、2回目以降で密度と濃さを調整しながら完成させます。

アートメイク施術の流れについて

見た目の経過

施術直後はドット(点)やライン(線)がくっきりと濃く出るため、アートメイクを施した部分だけが目立つ状態になります。

数日で薄いかさぶたができ、自然に剥がれ落ちる過程で余分な色が抜けて地毛と馴染んでいきます。

ダウンタイム

生え際まわりや頭皮に針で細かい傷をつけるため、施術後1週間ほどはダウンタイムが生じます。

この期間は腫れや赤みが出やすく、傷口が塞がるまでは施術部位への刺激を避けるため、洗髪や運動など日常生活の一部に制限がかかります。

過ごし方によってはダウンタイムを長引かせるだけでなく、仕上がりを損なう原因にもなるので、指示された制限を守りながら安静に過ごす必要があります。

アートメイクのダウンタイムについて

持続期間

個人差やライフスタイルによりますが、色みや密度が保たれる期間は1〜3年程度です。

頭皮は皮脂が多く代謝も活発なため、他部位に比べると持続期間は短い傾向にあります。 

完全に消えてなくなることはないため、色の淡さが目立って地毛と馴染まなくなったり、部分的に色抜けしてきたタイミングで定期的なメンテナンスが必要です。

リタッチ(修正)

自然な見た目を維持するためには、1〜2年ごとのリタッチが推奨されます。

色素を足して色みを補正するだけでなく、薄毛が進行していた場合は変化に合わせて隙間を埋めるなどの対応も可能です。

アートメイクのリタッチについて

アートメイクの色について

料金相場

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクの料金は、2〜3回の施術セットで12万円〜18万円前後が相場の目安です。

分け目やM字などのピンポイントか、生え際全体をカバーするかなどの施術範囲や、担当する施術者の技術ランクによっても料金は変動します。

クリニックによっては指名料や診察代、麻酔代、リタッチ費用などのオプション費用が別途発生するため、事前に総額を確認しておきましょう。

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクの注意点

健康状態や体質、頭皮の状態によっては施術を受けられず、ヘアカラーや薄毛治療の一時中断などの調整が欠かせません。

また洗髪制限やMRI検査への影響といった、施術後の生活や将来に関わるリスクについても注意が必要です。

アートメイクの注意点

施術を受けられない人

体質・アレルギー
  • 妊娠中またはその可能性
  • 授乳中(断乳または不可)
  • ケロイド体質
  • 重度の金属アレルギー
  • 麻酔アレルギー
頭皮や生え際の状態
  • 進行中の円形脱毛症
  • 重度の皮膚疾患(アトピー、脂漏性皮膚炎、乾癬など)
  • 皮膚がん・悪性腫瘍(疑い含む)
  • 施術部位に盛り上がったホクロ・イボ・血管腫(直上不可)
全身疾患・病状
  • 感染症(HIV、B型・C型肝炎、梅毒など)
  • 重度の心臓病
  • ペースメーカーや埋め込み型医療機器を使用している
  • 血液疾患(血友病、血小板減少紫斑病など)
  • 重度の糖尿病(コントロール不良・合併症あり)
  • 重度の高血圧
  • 腎臓病・透析中
  • 自己免疫疾患(膠原病・リウマチ・SLEなど)
治療・投薬状況
  • 抗がん剤治療中、免疫抑制状態
  • 抗凝固剤・抗血小板薬
  • ステロイド剤(長期服用中)
精神・神経・中毒・その他
  • アルコール・薬物中毒
  • 精神疾患
  • てんかん発作の既往(主治医の許可)
  • 未成年(親権者の同意がない場合)

これら以外にも治療中の病気や服用中の薬があれば、予期せぬトラブルや健康上のリスクを避けるためにも事前に医師に申告するようにしましょう。

アートメイクと金属アレルギーについて

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイク前に避けるべき治療・ケア

1年〜6ヶ月前
  • 植毛
6ヶ月〜3ヶ月前
  • 額まわりやフェイスラインの美容整形
  • イソトレチノイン(治療後から起算)
  • 額やこめかみへの脂肪注入
1ヶ月〜2週間前
  • ミノキシジル(外用薬・内服薬は医師判断)
  • 頭皮への成長因子注入(メソセラピーなど)
  • レチノール・ビタミンA製剤(化粧品含む)
  • 額やこめかみへの注入治療(ヒアルロン酸・ボトックス)
  • おでこの医療脱毛
  • 過度な日焼け
2週間〜1週間前
  • ヘアカラーやパーマ

直近の治療やケアによっては、施術を受けられないこともあります。

期間はあくまで目安であり、クリニックによって指定期間が異なることもあるため予約時の確認が必要です。

合併症(副作用)

針で細かな傷をつけて色素を入れるため、施術後まれに合併症を引き起こすことがあります。

  • 感染症(毛嚢炎・化膿)
  • アレルギー反応
  • ケロイド(肥厚性瘢痕)
  • 肉芽腫(しこり)

万が一、強い赤みや腫れ、膿などが続く場合は、放置せずに施術を受けたクリニックを受診してください。

アートメイクの針について

洗髪制限

施術当日から3日間は施術部位を濡らすこともシャンプーもできないため、ドライシャンプーでの対応が必要です。

また4日目以降は施術部位を避けて洗うか、湯シャン(ぬるま湯)のみにとどめ、ドライヤーも直接の熱刺激を避けながら冷風や弱風のみの使用となります。

通常のシャンプーが可能になるのは、ダウンタイムが明ける1週間後が目安です。

保湿(ワセリン)について

生え際まわりはもともと皮脂が多いため、乾燥によるつっぱり感やかゆみがなければワセリンは塗らないのが基本です。

油分と皮脂が混ざることで色素がにじむ原因になるほか、通気性の悪化が雑菌の繁殖を招いて頭皮トラブルにつながるリスクがあります。

MRI検査への影響

色素には微量の金属成分が含まれているため、MRI検査時に強力な磁場に反応することがあります

MRI検査のリスク
  • 熱感
  • 火傷
  • アーチファクト(検査画像の乱れ)

検査自体は基本的に可能ですが、万が一のトラブルを避けるため、MRI検査前には必ず生え際まわりにアートメイクを入れていることを医師や担当技師に伝えてください。

アートメイクとMRI検査について

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクの除去について

デザインを除去したい場合、医療用レーザー(ピコレーザーなど)を用いるのが一般的です。

完全に消すことはできませんが、生え際まわりに使われる黒やダークブラウン系の色はレーザーの反応が良いため、回数を重ねることで目立たないほど薄くできます。

ただし、照射部位の髪にもレーザーは反応するため、一時的に地毛が白くなったり、脱毛したりする可能性があります。

アートメイクの除去について

おすすめのクリニック・施術者の選び方

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクは医療行為のため、医師が常駐し、万が一のトラブルにも対応できる医療機関で受けるのが基本です。 

頭部は丸みを帯びているため、生え際の自然な毛並みやドットを描くのは他部位とくらべ高度な技術が求められます。

そのため専門とするアーティスト(看護師)は少ないものの、症例や実績を比較して、理想に近い仕上がりがあるクリニック・施術者を選ぶようにしましょう。

アートメイクアーティスト(施術者)について

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクについてのまとめ

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクは髪を生やす効果こそないものの、視覚的な変化でコンプレックスをカバーできるのが魅力です。

その反面、代謝の良い頭皮は色抜けもしやすいため、きれいな状態をキープするには定期的なメンテナンスが欠かせません。 

一度で終わりの施術ではないため、目先の変化だけでなく、将来的なコストも含めて検討することをおすすめします。

頭皮(生え際・ヘアライン)アートメイクについてよくある質問

施術の痛みは強いですか?

痛みの感じ方には個人差がありますが、表面麻酔を使用するため痛みに敏感な方でも施術は受けられます。

むしろ骨に近い部位のため、響くような針の振動やカリカリとひっかかれるような感覚が気になる場合があります。

薄毛治療と並行して受けられますか?

薄毛治療と並行して受けられますが、ミノキシジルや注入療法(成長因子)などは仕上がりに影響するため一時的な中断が必要になります。

針を刺すことで髪が生えなくなることはありますか?

針を刺すのは表皮から真皮の浅い層までになるため、さらに奥にある毛包(髪をつくる器官)にまでは到達しません。

髪が生えなくなることはないため、薄毛に悩む方でも安心して施術を受けられます。

石橋 夏希
医療アートメイクアーティスト / 看護師
Besecure専属の監修者です。

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