アートメイクの失敗・後悔しないために|実例と原因・リカバリー方法

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクは一度入れると簡単には消せないため、ちょっとした選び方の違いで失敗につながってしまうことがあります。
ありがちな失敗や実際に起きたトラブルを知らないまま受けてしまうことが、後悔につながる一番の落とし穴です。
よくあるアートメイクの失敗例
アートメイクは、仕上がりによって満足度が大きく左右されます。
ほとんどの場合、失敗に気づくのは色素が定着する1ヶ月ほどが経ってからなので、後になって「思っていたのと違う」と感じる方も少なくありません。
理想と違うデザインや色味
アートメイク完成後によくみられる失敗例としてあげられるのが、理想と仕上がりのギャップです。
肌の状態が落ち着き、色素も定着したタイミングで、「濃さが不自然」「太すぎる(細すぎる)」「骨格に合わない形になっている」などの違和感に気づきます。
また写真や鏡、他人の視線を通じて違和感を自覚し、普段のメイクともなじまないことで後悔につながるケースもあります。
左右差・バランス崩れ
人間の顔はもともと完全な対称ではありませんが、アートメイクによって左右差・バランス崩れが強調されてしまうことがあります。
わずかな高さや左右の幅のずれが表情にゆがみを生むことで、デザインの不自然さを際立たせます。
ほんの数ミリの差でも顔全体の雰囲気を大きく変えてしまうため、左右差は後悔につながりやすい失敗のひとつです。
色素の問題(ムラ・変色・早期消失)
アートメイクは色素の入り方や定着具合によって仕上がりに差が出やすく、はじめは満足していても後になってからトラブルが表面化しやすいです。
一部の色抜けでムラになったり、黒の抜けが早いと赤みや青みが強く残って本来の色合いと変わってしまうことがあります。
中には数ヶ月でほとんど色が消えてしまうケースもあり、高額な施術にもかかわらず効果を実感できないまま後悔する例もあります。
仕上がりの不自然さ
アートメイクは、技術やデザインが不十分だと人工的な仕上がりが目立ってしまうことがあります。
線が太くベタ塗りのように見えたり、色味が均一すぎて顔から浮いてしまうといったケースが失敗の典型例です。
ナチュラルさを求めていた人ほど落胆が大きく、一目でアートメイクと分かるような不自然さが残りやすくなってしまいます。
実際にあったアートメイクトラブル事例
アートメイクの失敗や後悔は、仕上がりだけにはとどまりません。
針で皮膚に傷をつける施術になるため、健康被害につながってしまうケースもあります。
2006年から2011年までに121件が被害報告寄せられており、その95%がエステやサロンなど無資格者による施術であることがわかっています。
ここでは実際に報告されたケースをもとに、アートメイクが引き起こすリスクを具体的に紹介していきます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000223vo-att/2r9852000002242i.pdf
施術部位の化膿
友人の口コミを頼りに訪れたサロンで眉毛アートメイクを受けたところ、施術後に化膿してしまったケースがあります。
- 友人の紹介で眉のアートメイク(3回コース)を契約
- 2回目の施術後に皮膚が化膿
- 皮膚科で針や色素に問題があると指摘
- 顔が腫れて仕事をキャンセルせざるを得なかった
サロンは費用を安く抑えられるものの、医療管理が不十分なため感染リスクが高まります。
一度化膿すると日常生活にも支障をきたし、美容どころではなくなってしまいます。
アイラインアートメイクで角膜を傷つけたケース
エステサロンでアイラインのアートメイクを受けた際、施術が原因で角膜を傷つけてしまった例があります。
- 施術中に痛みを訴えたが、そのまま続行された
- 終了後も視界が曇り、涙と痛みが止まらなかった
- 救急で眼科を受診した結果、角膜に傷が確認された
目の周囲は非常にデリケートで、わずかな誤りでも視力に影響を及ぼしかねません。
安全管理や施術者が不慣れな場合には、取り返しのつかない後悔につながります。
痛みや腫れが長引いたケース
眉のアートメイク後に、痛みと腫れが長引いて生活に影響が出たケースです。
- サロンで眉のアートメイクを受けた
- 施術中から痛みがあり、腫れも引かない
- 眉周辺が赤く腫れ続け、恥ずかしさから外出を控えるようになった
通常は数日〜1週間ほどでダウンタイムで落ち着きますが、症状が長引くと人目が気になり、心理的な負担が大きくなってしまいます。
仕上がりが左右非対称になったケース
アイラインの仕上がりが左右で違ってしまい、不安が残ったケースです。
- かさぶたが綺麗にならないまま長く残っている
- 右側のアイラインが濃すぎて左右差が生じている
- 修正のため除去液を提案されたが、技術に不信感を抱いた
こうした施術者の色素に対しての知識や技術・経験不足は、思わぬ仕上がりにつながることが珍しくありません。
目の下に色素が入ってしまったケース
アイライン施術中に、誤って下まぶたをはみ出て色素が入ったケースです。
- 上まぶたのアイライン施術を受けていた
- 痛みにより思わず目を閉じてしまった
- 下まぶたのふちから約5ミリのところに色素が入った
- 除去時にまつ毛が抜ける可能性や、完全に色素が抜けない不安を説明された
アートメイクは長く残るため、誤った部位に色素が入ると取り返しがつかなくなります。
除去治療も可能ですが、新たな負担やリスクを伴うため安心できない状況に陥ってしまいがちです。
友人宅自宅で施術したケース
友人の自宅で受けた眉のアートメイクが原因で、健康被害と仕上がりへの不満が残ったケースが報告されています。
- 友人の娘による手彫りアートメイクを自宅で体験
- 施術後に痛みと腫れが出て皮膚科を受診
- 医師から「消毒が不十分な可能性」と診断
- 眉の形が左右でずれて変形
無資格者による自宅施術は衛生管理や技術が十分でなく、感染や仕上がり不良のリスクが高まります。
「知人だから安心」という思い込みがかえって危険を招き、長期的な後悔につながりかねません。
アートメイクの失敗・後悔する原因
アートメイクの失敗や後悔は、単なる偶然ではありません。
情報不足や施術者の経験不足、ヒアリングの不十分さ、施術環境の問題など、うまくいかない原因にはいくつかのパターンがあります。
カウンセリング時の認識のズレ
伝え方・聞き方・すり合わせといった、利用者と施術者のコミュニケーション不足はアートメイクの仕上がりに影響しやすいです。
- おまかせで丸投げしてしまう
- 画像などで視覚的なイメージを共有していない
- デザイン(色や形、位置)の確認不足
- 自分の希望=似合うと思い込んでいる
- 1回の施術で理想通りに完成すると考えてしまう
お互いの小さな認識のズレが、思わぬ失敗や後悔につながる原因になりかねません。
施術者の経験・技術不足
経験や技術が不足している未熟な施術者にあたってしまうと、失敗するリスクは高まります。
- 症例数や実績が少ない
- 表情筋や骨格など個人差への理解が不足している
- 針の深さや角度のコントロールができていない
- 色素に関する知識が乏しい
技術力不足はデザインに反映されやすいため、仕上がりのムラや左右差が出たり、色素の定着に問題が起こりやすいです。
無資格者による施術
アートメイクは医療行為にあたるため、本来は医師や医師の管理下で行う美容施術です。
それにもかかわらず、エステサロンや個人宅などで無資格者による施術が行われ、トラブルに発展するケースが一定数あります。
技術や知識の不足はもちろん、医師による診察がなく衛生管理も不十分な環境では、健康被害に遭うリスクが高いです。
安さや手軽さに流されてしまうと、本来避けられるはずのトラブルに巻き込まれてしまいます。
価格だけで決めてしまう
アートメイクは決して安い施術ではないため、どうしても価格を基準に考えてしまいがちです。
しかし価格が極端に安いと、以下のような背景があることも少なくありません。
- 施術時間を短縮して対応が雑になる
- 低品質インクや針、機材の使用
- 新人研修として施術を行う
- 症例数が少ないクリニックによる集客のための安売りしている
安かろう悪かろうという言葉の通り、安さの裏には必ず理由があり、人件費やコストなどなにかしらを犠牲にしている可能性が高いです。
リサーチ不足
アートメイクについて事前に十分に調べていないと、仕上がりや経過に対して誤解を招きやすくなります。
- アートメイクに対しての基本知識
- リスク
- 口コミや評判
- 施術者の資格や経歴
つい症例写真ばかりに目がいきがちですが、一部の良い結果や加工されている場合もあります。
こうした情報の見落としが、仕上がりや経過に対して失敗・後悔につながってしまいがちです。
失敗・後悔したときのリカバリー方法
万が一アートメイクに失敗・後悔したときでも、調整する方法はいくつかあります。
薄くなるまで我慢する必要はなく、状態に合わせたリカバリーが可能です。
リタッチで整える
色や形にわずかなズレがあった場合は、リタッチで調整できます。
アートメイクは数回の施術を前提にデザインを整えることも多いため、大幅な変更でなければリタッチでもリカバリー可能です。
他院修正
仕上がりに不満が残り、通っているクリニックでの対応が難しいと感じたときは、別の医療機関でアートメイク修正を依頼する方法があります。
修正を得意とする施術者もいるので、実績や症例を確認しながら選ぶと安心です。
アートメイク除去治療を受ける
どうしても納得できない場合は、除去治療という選択肢もあります。
レーザーや専用の除去液を用いる方法がありますが、費用や肌への負担も大きいため最終手段として検討するのが現実的です。
アートメイクで失敗したときの相談先
思った仕上がりにならなかったり、健康面で不安を感じたときは、1人で抱え込まずに相談することが大切です。
施術先の担当者に相談
仕上がりに不満を感じたり、炎症や腫れが長引くなどの異常が出た場合は、まず施術を受けたクリニックや担当者に相談することが基本です。
施術経過を把握しているため、リタッチや修正、経過観察など具体的な対応を受けやすいというメリットがあります。
ただし説明が不十分だったり、対応に不安を覚える場合には、セカンドオピニオンとして別の相談先を検討することも大切です。
公的な相談窓口を利用する
施術先で十分な対応が得られない場合や、無資格者による施術でトラブルになった場合には第三者帰還に相談しましょう。
- 医療安全支援センター
-
医療機関に関する苦情や不安、医療の安全確保に向けた相談窓口
- 消費者ホットライン
-
契約トラブルや施術に関する消費者被害(返済・解約問題、無資格による施術手続きなど)の相談窓口
中立的な立場からアドバイスを受けられ、必要に応じて適切な機関につないでもらえるセーフティーネットとして機能します。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/information/information_002
皮膚科や眼科などの医療機関
アートメイク後に施術部位に違和感が残ったり、症状が長引くようであれば医療機関を受診しましょう。
- 眉毛・リップ・頭皮
-
皮膚科
- アイライン
-
眼科
強い腫れや化膿が続いたり、かゆみや赤みがいつまでも治まらないといった症状が出たらは、自己判断せず速やかに専門医に相談してください。
アートメイク失敗・後悔まとめ
アートメイクの失敗や後悔は、カウンセリングや施術者・環境の選び方、準備不足から起こります。
施術を受ける前に納得できるまで確認し、信頼できる環境を選ぶことが最大の予防策です。
不安を抱えたまま受けるのではなく、納得できる条件がそろったときに決断するようにしましょう。
