アートメイク後のMRI検査|トラブル発生率と検査NG期間

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクで使用する色素は金属成分が微量に抑えられているため、MRI検査中のトラブルは稀です。
ただし、デザインによっては検査リスクが高まるため、医師や検査技師に事前に申告することが安全な検査につながります。
アートメイクによるMRIのトラブル発生率
米国の研究報告によると、眉・唇・アイライン・頬など複数箇所にアートメイクをしてMRIを受けた135人のうち、トラブルが発生したのは2名のみ(約1.5%)でした。
2名はいずれもアイラインによる事例であり、軽いピリピリ感や熱感といった一時的な症状で、検査中止には至らなかったと報告されています。
[出典:Shellock FG, et al. JMRI 2004 – MRI safety of tattoos and permanent cosmetics]
(http://www.imrser.org/pdf/shellock.tattoo.jmri.pdf)
MRI検査で起こりうるリスクについて
アートメイクの色素にはわずかに金属成分が含まれるため、MRIの磁場に反応してトラブルが起きる可能性がゼロではありません。
また2010年より前にアートメイクを受けている場合、現在よりも金属成分の含有量が多い色素の可能性が高いため注意が必要です。
熱感
MRIの磁場によって色素が熱を持つことで、ピリピリやチクチクといった火傷に近い感覚を覚えることがあります。
特に注意が必要なのが、アイラインです。
目頭〜目尻にかけて上下まぶたに入れたデザインは囲み目(輪っか状)になり、電気が回りやすくなることで熱傷(やけど)のリスクが高まります。
検査画像の乱れ
色素の金属成分がMRIの磁場を乱し、検査画像に歪みや白抜けといったアーチファクトと呼ばれる現象が起きることがあります。
診断の妨げになるケースは稀ですが、小さな病変を見落とすリスクを伴います。
MRIを受けられない期間
緊急時を除き、アートメイクをしてから2週間〜1ヶ月はMRI検査を受けることはできません。
施術後の皮膚は無数の針傷がついた怪我をしている状態のため、MRIの刺激が加わると炎症が長引いたり、デザインが変色・色ムラ(定着不良)を起こすことがあります。
検査前の問診票と同意書
MRIを受ける際は、問診票でアートメイクの有無を必ず申告してください。
「あり」と回答した場合、熱傷リスクやデザインに影響する可能性について承諾する同意書へのサインが求められます。
正しい申告は病気の発見だけでなく、適切な安全対策によってアートメイクを極力守ることにもつながります。
断られる可能性があるケース
大学病院や総合病院などで採用されている3テスラMRI(高磁場)は、従来の1.5テスラMRIよりも金属へのルールが非常に厳しいです。
熱傷や診断画像の乱れが起こりやすくなるため、安全上の理由から検査自体を断られる、または従来の装置に変更を提案される可能性があります。
アートメイクとMRIのまとめ
アートメイクを入れていてもMRIによるトラブルは少ないため、同意書へのサインといった条件付きで検査可能な病院が増えています。
施術と検査の間隔を十分に空け、事前に申告するなどルールを守りさえすれば、過度に心配する必要はありません。
