アートメイクを消すクリームは効果ある?知っておきたいリスクと限界

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクを消す方法として、ピーリング作用などがあるクリームを思い浮かべる方もいます。
しかし、これらは本来シミや色素沈着の治療に使われる成分であり、アートメイクのインクを取り除くものではありません。
効果の限界と肌トラブルのリスクを理解したうえで、安全な選択をしましょう。
アートメイクを消すクリームとは
アートメイクを消す目的で使われるクリームは、もともとシミや色素沈着などの治療に用いられる外用薬や美白成分を応用したものです。
肌の代謝を整えて古い角質とともに色素を排出させる効果があり、医薬品だけでなく、一部のセルフケア製品にも含まれています。
ただしアートメイクを消すことを目的としていないため、適用外の使用となる点に注意が必要です。
クリームでは完全に消せない
アートメイクの色素は表皮と真皮の境界(基底膜付近)に定着するため、角質除去やターンオーバーを促すクリームだけでは十分に作用しません。
外用薬の働きで表面の色素が少しずつ排出されることはありますが、沈着した色素を完全に取り除くことは難しいです。
使用を続けて薄くなることがあっても、消えるまでの効果をクリームに期待して使用するのは現実的ではありません。
薄くなったと感じる理由
クリームを使用すると角質の代謝が促されることで表面の色調がわずかに変化し、一時的にアートメイクが薄く見えることがあります。
これは肌表面の細胞が入れ替わることで色素の一部が排出されたり、色素沈着への作用によって発色が和らぐためです。
また周囲のシミやくすみの改善によってコントラストが弱まることで、残っている色素が目立ちにくく見えることもあります。
クリームに含まれる代表的な成分
いわゆる消すクリームと呼ばれるものには、肌の代謝を促したり、色素沈着に作用する成分が含まれています。
ハイドロキノン
ハイドロキノンは、「肌の漂白剤」と呼ばれるほど強い美白作用がある成分です。
表皮の一番下にある基底膜付近でつくられるメラニンを分解・抑制するため、シミや肝斑、ニキビ跡などによる色素沈着を目立たなくする効果が期待できます。
トレチノイン
トレチノインはビタミンAの一種で、肌のターンオーバーを早める作用がある成分です。
シミ、肝斑、そばかすだけでなく、シワや毛穴トラブル(開き・黒ずみ)にも効果的とされています。
シミを薄くする効果をより高める目的で、ハイドロキノンと併用されることもあります。
ヒドロキシ酸
ヒドロキシ酸は、角質除去やくすみ改善に効果的な機能性成分として知られています。
- AHA(フルーツ酸)
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グリコール酸・乳酸・リンゴ酸など
- BHA
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サリチル酸
化粧品や医薬部外品だけでなく、一部の医薬品にも使用され、濃度(配合量)によって作用の強さが異なります。
低濃度であれば日常使いできる角質ケア成分として使え、高濃度になると医療用ピーリング剤として使われます。
その他の美白・整肌成分
医薬品ほどの強い作用はないものの、肌の明るさ・均一感・透明感をサポートする目的で配合される成分も多くあります。
- アルブチン
- ビタミンC誘導体
- ナイアシンアミド
- プラセンタエキス
- レチノール(ビタミンA誘導体)
- クロマブライトなど
いずれも化粧品成分として日常的に使えるものであり、長期的なスキンケア目的として肌の状態を整えるサポートとなります。
消すクリームを使用する際の注意点
角質除去や色素沈着に効果的なクリームはあるものの、いずれもアートメイクを消すために作られたものではありません。
適用外の使用となり、インクを消す効果は確認されていないため、リスクだけが残る可能性があります。
肌トラブル
特に高濃度のハイドロキノンやトレチノインは作用が強く、使用により赤みやかゆみ、皮むけといった症状が出やすい成分です。
炎症や強い乾燥、アレルギー反応を引き起こすこともあり、処方する皮膚科でも慎重に扱われます。
また長期間使用すると光線過敏症のリスクも高まり、紫外線によって新たな色素沈着が生じる可能性もあります。
根本的に消したいならアートメイク除去
アートメイクのインクは真皮層の手前まで入るので、ターンオーバーを促すクリームでは完全に取り除くことはできません。
根本的に消したい場合は、アートメイク除去が必要です。
通院が必要になりますが、インクに適切にアプローチすることで、比較的安定して色を薄くしたり消したりできます。
アートメイクを消すクリームのまとめ
消すクリームはシミや色素沈着の治療には使われますが、アートメイクを消す手段にはなりません。
根本的に除去したい場合は医療機関での施術が必要となるため、自己判断での使用に頼るのではなく医師に相談することが大切です。
