アートメイクは色で決まる|自然に仕上げるためのポイントと選び方

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクはデザインが整っていても、色選びを間違えると不自然な仕上がりになることがあります。
顔のトーンに合わない色、流行だけを優先した色は、時間が経つほど違和感につながりやすいものです。
自然に馴染む色を選ぶためには、色選びの考え方と実際の決め方を知っておくことが大切です。
アートメイクで選べる色の種類
アートメイクでは、仕上がりの印象を大きく左右する色選びが欠かせません。
使用される色は大きく「基本色」と「ブレンド色」に分けられ、これらを組み合わせることで1人ひとりに合った自然な発色が実現されます。
基本色
基本色とは、アートメイクに使われる単色のピグメント(インク)を指します。
用意されている色の種類はクリニックによって異なりますが、5〜8種類ほど用意されているのが一般的です。
- ブラック
- ブラウン
- グレー
- 赤
- 黄色 など
これらはそのまま使用するよりも、肌の色や施術部位に合わせて調整することが多く、ナチュラルな仕上がりをつくるためのベースとなります。
ブレンド色
ブレンド色は、基本色を組み合わせて作られるオーダーメイドカラーです。
施術者が肌色や髪色、瞳の色、そして希望するイメージに合わせて配合を調整し、1人ひとりに適した色を仕上げます。
理論上は無数の組み合わせが可能ですが、実際に多く使われるのは10〜20種類ほどです。
赤みや黄み、青みのバランスを整えたり、透明感ややわらかさをプラスすることで自然で違和感のない発色になります。
色選びの基準
アートメイクの色を決める際は、施術前に肌の上で色を確認しながら進めます。
実際に乗せてみることでイメージとのズレを防げ、もっとも馴染む色を選びやすくなります。
肌色
肌色は色選びで最も重要なポイントです。
明るい肌には淡い色が、落ち着いたトーンの肌には濃い色が自然に馴染みやすい傾向があります。
また、パーソナルカラーである「イエローベース」と「ブルーベース」によっても適した色は変わります。
イエベ肌には黄みやオレンジ系、ブルベ肌には青みやグレー系の色が調和しやすく、全体の印象が自然に整いやすいです。
髪色・瞳色
髪や瞳の色に近いトーンを選ぶと、顔全体が自然にまとまりやすいです。
明るい髪や瞳には軽やかなカラーが、黒髪や暗い瞳には落ち着いたダークカラーが調和しやすい傾向があります。
髪色と瞳の色を基準にすることで、全体のバランスが取れた仕上がりになります。
普段のメイク
普段から使っているアイブロウやリップ、アイカラーの系統に近い色を選ぶと、仕上がりに統一感が生まれます。
またすっぴんのときに違和感がないか、メイクを重ねても不自然に強調されないかを事前に確認することもポイントです。
流行にとらわれすぎず、ライフステージや日常生活に合ったカラーを選ぶことで、自然で落ち着いた印象を保てます。
ライフスタイル
日常生活のシーンに合った色を選ぶことも大切です。
職場や学校などで派手な色が合わない場合は、落ち着いたカラーを選ぶと安心です。
一方で、外出やスポーツなどアクティブな生活を送る方は、色抜けを見越して気持ち濃いめに色を入れておくと長く自然な発色をキープしやすくなります。
流行に流されすぎず、数年後も自然に見える色合いを意識するようにしましょう。
部位ごとの色選びポイント
アートメイクは部位によって最適な色が異なります。
肌や髪、瞳との調和を考えながら、それぞれの特徴に合わせて選ぶことで、自然で美しい仕上がりを実現できます。
眉毛アートメイク
眉は顔の印象を大きく左右するため、肌色や髪色、瞳の色とのバランスが重要です。
一般的には「自眉より少し明るいブラウン」や「グレージュ系」が自然に馴染みやすいとされています。
黒髪に真っ黒な眉は硬い印象になりやすいため、ニュアンスを出すブラウンやアッシュ系が選ばれやすいです。
眉頭から眉尻にかけてグラデーションをつけるのも、毛並みや立体感を引き立たせ、のっぺりした印象をやわらげる方法のひとつです。
リップアートメイク
リップは元々の唇の色や肌の明るさ、パーソナルカラーを基準に選びます。
ピンク、コーラル、レッド、ベージュ、ブラウンなどの色味が用いられ、ナチュラル志向なら素の唇に近い色合いが適しています。
メイクをした印象に近づけたいのであれば、発色の良い赤や深みのあるカラーが選ばれやすいです。
またパーソナルカラーをベースにするなら、イエローベースの方はコーラルやサーモンオレンジ、ブルーベースの方はローズやワイン系が唇に馴染みやすいです。
アイラインアートメイク
アイラインは目元をくっきり見せる目的で選ばれることが多く、定番はブラックとダークブラウンです。
しっかりとした印象を出したい場合はブラック、自然で柔らかい仕上がりを求めるならブラウンが好まれます。
ブルーやパープル、グリーンなどのカラーバリエーションもありますが、長期的には違和感や後悔につながる可能性があるため推奨されていません。
ヘアラインアートメイク
ヘアラインは髪色に合わせて色を選ぶのが基本です。
ブラックやダークブラウンが中心となり、地毛や染めた髪色との調和を意識することで自然な仕上がりになります。
額や生え際にグラデーションをつけるとフェイスラインが整って見え、立体感を持たせることができます。
流行のカラーを取り入れると数年後に違和感を覚える可能性があるため、長期的に自然に見える色を選ぶことが大切です。
色の決め方
アートメイクの色は施術者と相談しながら、実際の発色もいくつか確認しつつ最終的に決めていきます。
希望や肌の特徴を踏まえながら調整するため、1人ひとりに合わせた自然な仕上がりが可能です。
カウンセリング
施術前のカウンセリングで、普段のメイクの傾向やなりたいイメージを詳しく聞き取ります。
そのうえで肌の特徴や生活シーンを踏まえて、どの色が自然に見えるかを施術者とすり合わせます。
この段階で希望と専門的な視点を共有することで、後の色選びがスムーズになります。
発色チェック
候補となる色をいくつかブレンドし、実際に肌に乗せて顔の印象とのバランスをチェックします。
室内光や自然光など環境によって色の見え方が変わるため、この段階でトーンや馴染み方を判断することが大切です。
最終的に選ばれた色が、実際の施術に反映されます。
アートメイクの色が安定するまで
アートメイクの色は施術直後から完成形になるわけではなく、時間の経過とともに仕上がりに近づいていきます。
短期的な濃さの変化と、年単位での長期的な変化を理解しておくことが大切です。
色の濃さは段階的に変化する
アートメイクの色は、施術直後から理想の濃さで落ち着くわけではありません。
本来の色味に近づくのは、施術から1ヶ月前後が目安です。
| 色が安定するまでの目安 | |
|---|---|
| 直後 | 表面にも色素が残り濃く見える |
| 1週間前後 | かさぶたが剥がれて一時的に薄く感じる |
| 1ヶ月 | 色が定着して希望に近い仕上がりになる |
このように色の濃淡は時間とともに落ち着くので、一時的な見え方に惑わされず、最終的な仕上がりを目安に考えるようにしましょう。
年単位で少しずつ薄くなる
アートメイクで定着した色も、永続的に残るわけではありません。
施術から時間が経つにつれて色味は徐々に淡くなっていき、年単位で少しずつ薄れていきます。
完全に消えるというより、輪郭がやわらぎ、全体的にぼやけて見えるのが一般的な経過です。
数年をかけて色抜けが進むため、経年変化の影響によって色合いは少しずつ変わります。
アートメイクの色についてのまとめ
アートメイクの色は、一度入れると年単位で残るものです。
だからこそ、好きな色や流行に合わせるだけでなく、顔全体の印象になじむ色や将来的な変化まで視野に入れることが欠かせません。
1人ひとりに自分にあった色を見つけることで、浮かない自然な印象に仕上がります。
