アートメイクはやめた方がいい理由|体に悪い影響や健康被害

本記事は、医療アートメイクの臨床経験を持つ石橋 夏希が、専門的知見に基づき監修しています。
アートメイクはやめたほうがいいと言われるのは、いつでも変えられる自由度の高いメイクの延長ではないからです。
人の手で針を使って皮膚に傷をつけて色素を定着させる以上、施術に失敗したり、その後に健康上のトラブルが起きる可能性もゼロではありません。
アートメイクはやめたほうがいい理由
- 完全には消えない
- 仕上がりの失敗
- 経年変化
- 継続的なメンテナンスコスト
- 他の美容医療への制限
- 除去治療のリスク
一度入れると元の状態にリセットすることが難しく、デザイントラブルや将来的な変化のリスクのほか、美容医療への制限やメンテナンスコストといった長期的な負担も伴います。
完全には消えない
アートメイクは薄くなっていくものの、完全に消えることはありません。
ターンオーバーの影響を受けない真皮の浅い層に色素を定着させるため、年月が経っても薄っすらと跡が残ってしまいます。
仕上がりの失敗
仕上がりイメージの違いや左右差、濃すぎるといったトラブルは、人の手で行う以上ゼロにはできません。
メイクのようにすぐに消せないため、万が一失敗したデザインがそのまま顔に残ると、長期的なコンプレックスにつながってしまいます。
経年変化
当時は気に入っていたデザインも、年齢による顔立ちの変化に伴って違和感が生まれることがあります。
皮膚のたるみやシワの影響でデザインの位置がズレたり、色みが変色することで不自然に浮いて馴染まなくなってしまいます。
他の美容医療への制限
アートメイクの色素はレーザーや光治療(IPL)に反応してしまうため、シミ取りや脱毛などの美肌治療に制限がかかります。
火傷や変色のリスクからアートメイク部位への照射は避ける必要があり、将来的な選択肢を狭めることになります。
除去治療のリスク
除去には複数回のレーザー照射が一般的な対応となり、色素が黒く変色したり、脱毛や毛の白髪化といったダメージを受けるリスクがあります。
また色素が入っている深さによっては、治療を繰り返しても完全に消えないこともあります。
体に悪いとされる健康への影響
- 合併症のリスク
- 発がん性について
- 無資格サロンによる健康被害
- 精神的な依存
- MRI検査への影響
アートメイクは異物である色素を体内に残す以上、身体への負担や精神面へのリスクを含め、長期的な健康への影響も踏まえる必要があります。
合併症のリスク
- 感染症(化膿、ものもらいなど)
- アレルギー反応
- ケロイド(肥厚性瘢痕)
- 肉芽腫(しこり)
- 口唇ヘルペスの再発
- 角膜の傷(痛み、異物感など)
- ドライアイ
皮膚を針で傷つけるため、施術後に感染症やアレルギー、ケロイドといった皮膚トラブルが起きる可能性があります。
また部位特有のリスクとして、リップでは刺激による口唇ヘルペスの再発、アイラインではマイボーム腺や角膜を傷つけることによるドライアイなどのリスクもあります。
発がん性について
アートメイクそのものが発がんにつながるという医学的な報告は確認されていませんが、使われる色素の成分には注意が必要です。
EUでは一部の成分が規制されており、韓国でも有害物質が検出された例があります。
日本で使用されている色素の多くは輸入品に頼っているため、製品ごとの安全性や成分基準はクリニックの判断に委ねられているのが現状です。
[参考:EU]
(https://eur-lex.europa.eu/eli/reg/2020/2081/oj/eng)
(https://echa.europa.eu/documents/10162/0fa98a4c-ff76-6d0b-d48a-8b94ccac9bae)
無資格サロンによる健康被害
アートメイクによる健康被害の95%は、サロンなどの医療機関外で、医師免許を持たない者によって起きています。
本来、アートメイクは医師が常駐する医療機関において、医師または医師の指示を受けた正・准看護師のみに施術が認められている医療行為です。
化膿がおさまらない、視界のぼやけ、施術範囲外に針が入ってしまったなど、無資格者による深刻なトラブルが報告されています。
[参考:厚生労働省|美容所等におけるアートメイク施術について]
(https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/001624504.pdf)
[参考:国民生活センター|アートメイクの危害]
(https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r985200000223vo-att/2r9852000002242i.pdf)
精神的な依存
身体的なダメージだけでなく、精神的なリスクも無視できません。
完璧にしたいという思いから、不必要な修正を繰り返してしまうことがあります。
「身体醜形障害(BDD)」という心の病気とも関連しており、施術を何度受けても満足できず、終わりのないループに陥ることで精神的に追い詰められるリスクがあります。
MRI検査への影響
色素には微量の金属成分が含まれているため、MRIの磁場に反応して検査時に影響が出てしまうことがあります。
- アートメイク部位の熱感や火傷
- 診断画像にノイズが入る
万が一の事故や診断ミスを防ぐため事前の申告が必須となり、医療機関によっては検査そのものを断られるケースもあります。
まとめ
落ちないメイクとして知られるアートメイクですが、それは同時にリスクでもあります。
洗顔やクレンジングで簡単に落とせるものではなく、どこで、誰の施術を受けるかでもリスクや満足度は大きく変わります。
医師や施術者とよく相談し、今だけでなく、将来のことも考えて、ご自身が納得した上で判断してください。
